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知ってました?ジョルジオ・アルマーニの革新性。






こんにちは。胃のもたれを自覚するようになったファッションアナリスト山田耕史​(@yamada0221)です。

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最近ファッション史の勉強に力を入れています。

メンズファッションの歴史を見ていると、ジョルジオ・アルマーニの存在は外せない様子。ですが、ジョルジオ・アルマーニに関してはあまり知識がなかったのでこの本を読んでみました。

​​ジョルジオ アルマーニ 帝王の美学



かなり絶賛感が強い筆調でしたが、知らなかったことがたくさんあったので、メモ&シェアとして記事にします。


・アルマーニの革新性​



アルマーニが登場するまで、ファッションの中心地はフランスのパリでした。僕も知りませんでしたが、当時イタリアははファッション的には後進国だったのです。

アンドレ・クレージュのスペースルックに代表されるように、パコ・ラバンヌ、ピエール・カルダンなど最新技術を駆使して未来を感じさせるファッションが続々と登場した1960年代。中でも60年代諸島に登場したミニスカートは、モードの舞台をパリからロンドンに移すきっかけになり、やがてその動きは若干遅れながらもイタリアにやってきます。

アルマーニはイノベーターでした。当時、イタリア語にはファッションデザイナー(スティリスタ)という言葉が存在せず、若き日のアルマーニの上司がアルマーニのことを紹介するのに「スティリスタ」と表現したのがきっかけだったそうです。

少し長くなりましたが、アルマーニが提案した革新的なスタイルを引用します。



そんな時代にアルマーニは、男女の性差を超えた融合という、それまで誰も考えつかなかった卓越したアイデアを携えてさっそうと登場したのだ。アルマーニによって従来の構造を崩されたジャケットは、フォーマルなメンズスーツには着心地のよさをもたらし、キャリアウーマンにはある種の威厳を与えるという、ふたつの改革を同時に成功させた。動きのある糸を使用した流れるようになめらかな生地と、計算しつくされた柔らかさを持つパンツスーツ。イヴ・サンローランのようにパーティー向けではない、働く女性でも毎日切られる動きやすい仕事着となったのだ。

アルマーニが変えたのはレディスファッションだけではありません。メンズウェアに関しても、それまでは紳士服のスタイルとして厳格に定められたジャケットの構造を解体し、より自由に動きやすいカジュアルなジャケットを作り上げました。

アルマーニを筆頭にイタリアのファッション産業は躍進を遂げ、1979年にはミラノプレタポルテコレクション開催期間の取引額がパリを上回ります。イタリア=ファッション、という認識は割と最近のものなのです。

・デザイナー経営者、アルマーニ​


アルマーニにはセルジオ・ガレオッティという公私を共にするパートナーがおり、ガレオッティがアルマーニ社のビジネスを担当し、アルマーニはクリエイションに専念していました。ですが、アルマーニ社が拡大するなか、ガレオッティは40歳の若さで病死し、その後はアルマーニが社の経営を行うようになります。デザイナーと経営者というふたつの顔を持つようになるのです。

アルマーニは二足の草鞋を履くことの苦悩を以下のように語っています。



僕のなかには二人の自分が存在している。クリエイターとしての僕と、営業的検知から自分のコレクションを判断するもう一人の僕。(中略)つい前日までデザイナーとしての僕が惚れ込んでいた作品を、翌日、さまざまなデータを勘案した結果、すばらしいと思えなくなっている自分がいるんだよ

デザイナー経営者といえば僕が真っ先に思いつくのがコムデギャルソンの川久保玲。彼女のインタビューを読むとデザインだけでなく、ビジネスもクリエイティビティだと捉えていることがよくわかります。

川久保玲もアルマーニと同じような苦悩を抱えているのでしょうか。

・性的嗜好とクリエイション​


あとひとつ、興味深かったのがこの一文です。

アルマーニの厳格で端正なファッションは、女性や女性の身体に対する無関心の裏返しだと言う人がいる

つまり、アルマーニが性的嗜好がクリエイションに影響している、という指摘です。海外の有名男性デザイナーの多くがゲイだと思いますが、それでもこういった指摘があるのは面白いなと思いました。

・ファッションはどんどん自由になっている​


アルマーニはテーラードジャケットから身体と精神を解放させました。伝統という価値観に縛られる人々に自由を提示したのです。

僕は常に新しい自由を提案することがファッションの存在意義だと思っています。

僕は今後10年で、ファッショントレンドが消滅し、人々はトレンドから自由になるのでは、と考えています。


山田耕史のファッションブログ: ファッショントレンドが消滅すると思う、3つの理由。

そうなったときにまた新しいファッションが生まれるのではないかと、わくわくしています。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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